もちもちしている何か
お昼に焼き立てパンを食べようと
ホームベーカリーの準備をしていた朝。
入れてから気づく。粉の感じが違う…
強力粉と小麦粉を間違えた!!!!
パンを焼く時は強力粉である。
もうパンは焼けない。
パンは早々に諦めよう。諦めが肝心だ。
問題は、水と牛乳の中に小麦粉を入れてしまった
この小麦粉水をどうするか。
これを無駄にしないためにどうするべきか。
水、牛乳、小麦粉、検索。
水分が多いので難しい案件である。
やはりホットケーキ辺りにするのが無難か。
レシピの分量を足したり引いたり、
混ぜたり迷ったりしながら強行。
とりあえず、焼いてみる。
案の定、膨らまない。
ペタンとしている。
とりあえず、こんがりさせてみる。
バターを塗って
メープルシロップでごまかして
とりあえず、食べてみる。
もちもちしている。
これは焼けているのか?
じっくり焼いたけれど不安だ。
そういう時はレンジに数分かけると
火が通ると聞いた気がするので
レンジにかけてみる。
目下、もちもちしている。
もはやホットケーキではない。
もちもちしている何かである。
小麦粉を溶いて焼いた謎のやつである。
もう膨らまないものだと覚悟して
残りの生地はより薄く焼いてみる。
クレープよりちょっと厚めの
トルティーヤのような感じになる。
残りを焼く傍らで
肩を落としながらそれをもむもむ食う。
決しておいしくはないものを噛み締める。
こんな悲しい朝食があるか。
小麦粉を溶いて焼いた謎のやつを
「食えりゃいいよ」と言って
もむもむ食べてくれる人や猫を大事にしよう。
追記。お昼にクレープ的なノリで
ハムとレタスを挟んで食べてみる。
こういう食べ物だと思えば、
それなりにおいしくいただけた。
ホットケーキの出来損ない
パンを焼き損ねた成れの果てだと
落ち込んでいたら、悲劇のままだ。
何だって挽回のチャンスはある。
もちもちしている何かも、悪くない。