suicide bambi

パンクロックからお笑いまで、気になることを気まぐれに。

似ている二人

共通する趣味・趣向は
読書、落語、プロレス、蕎麦、旅…

彼は頭痛持ちで、彼女は肩凝り。
人見知り故に親しくなったという二人。


似ているから惹かれ合ったのか、一緒にいるとお互いに影響を受け、似通っていくものなのか。彼らの話、それぞれが書いた文章を辿っていくと、二人はよく似ている。

彼は“牡蠣の一生”に疑問を持ったことから、頭のいいおじいちゃんが答えてくれた「生まれてきたら、なんの理由も無くこの世界に存在していい」という話を聞いて、気が楽になる。

もし自分がやっていることが〈持続できなくなったとしても、ぼくには牡蠣のように生きる権利が圧倒的に残っている〉と。

彼女は性格診断で“秩序を守る物静かなゴリラ”だったことから、本を通じて「もし、誰かの期待に応えられなかったとしても、あなたは生きていていい」という言葉によって、肩の荷を下ろす。

〈人間関係に関して時間とエネルギーを使い過ぎていた、勿体ない!と少し吹っ切れた〉と。

趣味の必要性、没頭できる時間の大事さ。
語る言葉もどこか似ている二人。

矢面に立つ機会が多い彼は、人見知りキャラを脱皮したと言われる一方、裏切られたと軽々しく言う人に憤りを覚える。

成長したくて人見知りも治そうと思って、女性がいる店に何年も通ったという。「それを知らねえくせに、都合いい時だけ裏切られたって出てくんなよ」

普段 感情はあまり表に出さないタイプだろう彼が、珍しく感情をあらわにして言い放つ姿がそこにはあった。

二人の関係がニュースになった時、自分は裏切られたとは思わなかった。彼の考え方や感覚が少しずつ変化していくのを、どこかで感じていたからだ。寄り添う相手が出来ていたとしてもおかしくない。

責任ある仕事も増え、ストレスやプレッシャーも多いだろうが、誰かに評価され必要とされる喜びもあるのではないか。そして、男として認められ必要とされることで得られる肯定感も。

裏切られたとは思わなかった。だけど、素直に誰かの幸せを喜べる心の余裕もあまりなく、自分の中に沸き上がった感情は「くそー!羨ましい!」だった。ぐうの音も出ない、素敵カップルではないか。

以来、気になる彼女の書く文章を読み耽っては、その上品で知的な雰囲気に穏やかな気持ちになり、しかし眩しくてそっとページを閉じる。

深夜ラジオを拠り所にしているような人間にとっては、なかなか眩しく見える二人だ。

彼が抜け出したであろうネガティブの穴の底から見上げ、ニルヴァーナやピストルズを聴くと依然として心がざわつく日々を過ごしている。

付き合っている女性を「狙ってる女」と何年も言い続ける男よりも、彼女と「バリバリ付き合ってる」と認め、周りからイジられて真っ正面から受け止めていた彼の方に、より幸せになってほしい。

今後もそっと彼らを見守っていきたい。



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