suicide bambi

パンクロックからお笑いまで、気になることを気まぐれに。

同じ「Easy Go」は2度とない

同じ日は2度と来ない。
同じ「Easy Go」は2度とない。


「スッキリ」で披露された
エレファントカシマシの「Easy Go」

朝から歌えるような曲じゃないだろうと思っていたら、初っぱなから全力で歌っていた。

どえらい衝撃だ。朝からお茶の間が引っくり返っているかもしれないと思うと、思わず笑ってしまう。落ち着かない気持ちになると同時に、心の奥でざまあみろと思う。テレビでロックンロールが見られる嬉しさ。世の中にロックンロールをぶちまける爽快さ。

フェスみたいに思いきり歌っていて良かったと書いている人がいたが、むしろフェスの時の方がしっかり歌っていたような気がする。

「The Covers」でテレビ初披露された「Easy Go」は、かなり歌が走っていたように見えて、その生々しく生き生きとしたプレイに凄く興奮した。これは個人的に音源にして持ち歩いていて、CD音源と交互に聴いてみたりしてにやにやしている。この曲、ワン、ツー、スリー、フォー!のカウントからしてもう好きだ。

そして翌日のフェス、メトロックで「Easy Go」を聴くことが出来た。思っていた以上にしっかり仕上げて歌っていた印象で、前のめりながらもその確固たる佇まいがカッコ良かった。そもそもライブだとこちらもワアー!となっているので、息継ぎがどうとか上手く歌えているかどうかなんて、まるでどうでもよくなってしまう。

ライブで一緒に口ずさみながら、音に身を任せながら聴くと、やはりめちゃくちゃ楽しい曲だ。で、歌ってみるとわかる。歌い出しのタイミングからスピードから息継ぎから、自分も全然まともに歌えなくて、でも楽しくて悔しくて追いかけてむちゃくちゃに歌って息が切れて、でも楽しくて悔しくて…のループ。

最初にさいたまスーパーアリーナのライブで聴いた時は、これが新曲か!うわー大好きなやつじゃん!スゲーカッコいいじゃん!ワアー!ワアー!となっていたので、歌がしっかり歌われていたかどうかは全然覚えていない。とにかく、届いた。しっかり届いた。ガッチリ受け取ってしまった。

この曲は自分のためにある曲だ、と勝手に思ってしまうくらい。この曲をいいねと言っている人がいたら、いや俺の方がもっと好きだし!となぜか張り合いたくなるくらい。新参者のファンのくせに、妙なスタンスでエレカシの曲に溺れている。

アルバムの初回盤に付属している、デモ音源「Easy Go 0」も好きだ。元々はベースを弾きながら作られたというこの曲。完成形はガッチリしたギターサウンドだが、粗いベース音が響くゴリゴリの感じもまた良い。異なるメロディーがあったり、仮歌の歌詞がところどころ歌われている。

エレカシの“歌詞”が無効化された時、むき出しになる瞬間の“歌”が好きだ。デモ音源や「歴史前夜」など仮歌の時、ライブで不意に歌詞が飛んでしまった時、ラリルレ…で歌われるあの宮本浩次の独特な歌声に痺れる。英詞で歌ってもハマりそうな、あの魅了される響き。

しかし、やはり歌詞を大切にしているんだろう。「Easy Go」はギターを弾きながら練習しているらしく、フェスで4回くらい歌って、ようやく歌えるようになってきた…とラジオで話していたが、「練習しちゃダメ!上手くできるようにしようと思ったらダメ!できないのがカッコいいんだから!」とDJの方に言われていた。

「けっこう歌詞とかをちゃんと…」と話していたので、やはり歌をちゃんと届けたいという思いがあるんだろう。何にしても歌詞がいい。「Easy Go」の歌詞については色んなところで解説されていて、どの部分の歌詞がいいとか、どの部分の歌詞が一番響くかは人それぞれなのかもしれない。

自分は雑誌で初めてこの歌詞を見た時、立ち読みしていた本屋で、「おまえのハートに この世界中のあらゆる輝き届けるぜ」という言葉に撃ち抜かれてしまった。いつ何がどう刺さるかなんて自分でもわからない。

それまでエレカシの曲は、誰かに向けられた曲を遠くから眺めるように聴いていた。それが「Easy Go」を聴いた時、初めて自分に向けられている曲のように思えた。

先の話に戻り、ラジオのDJの方は宮本浩次に対する期待として、この曲は「きれいじゃなくていいから。とにかく力を出して」と言っていた。そう言われて考え込みながら、「そうかぁ……」「ちょっとわかってきたな」「両面ね」と呟くように答えていた。

「スッキリ」で披露された「Easy Go」は、決してきれいなものではなかった。とにかく力のこもったものだった。ギターを弾いていない分、歌に全力を注いだのかもしれない。あの状況での最大限。それは、思いや気迫が歌をも追い越して行くような「Easy Go」だった。

同じ「Easy Go」は2度とない、と思った。
この曲は特にそう感じる。

テレビや映像で見るのもいいが、やはりライブで聴きたい曲だ。Zeppツアーのチケットは取れず、フェスに行く余裕もなかなかなく、日比谷野音のライブは見られない(野音は申し込みがカード決済のみなので、カードを持たざる者は一生見られないのか…と思うと落ち込む)が、またいつかライブで見られることを期待して。

去年に続き、日比谷野音の日は外聴きしに行こうかと思っている。

「Easy Go」は聴けるだろうか。
昔のレアな曲をたくさんやるんだろうか。
天気はいいだろうか。
どんな風が吹いているだろうか。



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