suicide bambi

伊集院光「能町さん出てる番組で、タモリさんと一緒に出てたやつ」
能町　「『ヨルタモリ』ですかね」
伊集院「えっとね、それに甲本ヒロトさん来たでしょ」
能町　「出ました」
伊集院「甲本さんが、とタモリさんがお互いに、「過大評価です」って言い合う、その「僕らは2人とも世間の過大評価なんだ」って挨拶をし合う」
能町　「はい、されてましたね」
伊集院「俺あれなんかわかんないけど、テレビの前で…大好きなんですよ、僕は甲本ヒロトが大好きでタモさんも大好きなんだけど。テレビの前で、悔しいやらなんだかわからない感動するやら」
能町　「ああ～」
伊集院「こういう仕事やってると、自分の好きなゲストと他の人が、自分以上にすごいきちんとしゃべってたら、ちょっと嫉妬しません？」
能町　「ああ～」
久保　「うーん」
伊集院「でもその嫉妬の向こう側で、あの場所にいた全員が、面白くて。僕にとっては神聖な空気みたいな、あのタモリが、あの甲本ヒロトが、「過大評価です」っていう、その…やっぱりこれも何周りもした自分の感覚だと思うんだけど。俺あの回は俺の中で」
能町　「あ～そうですか」
伊集院「どうなの？あの時の空気」
能町　「いやあの時はですね、もう私も「なんで私ここにいるんだろう」って思い疲れちゃってるんですよ」
（笑）
久保　「あははは」
伊集院「わかるわかる。ちょっと恐縮しながらずーっといるんだよね」
能町　「そうなんですよ。毎週毎週なんでまあ甲本さんもすごいけど、毎週、とんでもない人が来るんですよ、あそこに。タモリさんもいるし、福山さんが来たり。もうだんだん私も「なんで私がここにいるんだろう」をだんだんやめ始めちゃったんですよ。もういいやと思って、いるんだから。指名されているんだからなんか理由があるんだろうぐらいにちょっとだんだん開き直り始めてたんですけど。甲本さんの時はまたそれが芽生え、再芽生えしてたんですけど。何より宮沢りえさんが甲本さんのこと大好きなんですよ」
伊集院「そうね」
能町　「大ファンなんで」
伊集院「しかも幼い頃からちゃんと交流もあり～の、ファンで」
能町　「そう、曲作ってもらったりもして、歴史もあり。で、甲本さんは甲本さんでその、ブルーハーツはもう今やめてるからブルーハーツの曲は基本やらないんです。やらないんだけど、その回やったんですよ」
久保　「やったんだ？」
能町　「やったんです」
伊集院「でね、褒め合ってても気持ち悪いんだけど。さっきの、派手なことはしないけれども、しないことの能力って俺はあると思ってるのね、ずーっとね。その時に、能町さんが、俺は感動したのは、要はみんなで、飲み屋でみんなでセッションするみたいな空気でやるから、何となく叩くものとか渡されるんだけど」
能町　「渡されます」
伊集院「それに対する、私が叩いていいかどうかを迷い続ける、このセッションに入っていいのかどうかを」
（笑）
伊集院「これがリスペクトなんだと思った」
能町　「いや～あれは」
伊集院「ずっと迷ってたよね、これを私が音を鳴らしていいのかどうかを」
能町　「開き直れないですね、あれは。うーん」
伊集院「でもね、俺ね、それしかなかったと思うの。叩くのも、私はミュージシャンじゃありませんので！ってやるのもおそらく違ってて、ずーっと叩きたいもいくし、いや叩きたいからって叩いてていいのかみたいな」
能町　「そうですね」
伊集院「そこをずーっとその、バーのカウンターのところにいる常連さんなんだけど、やってるところの」
能町　「確かに（笑）」
伊集院「あんなのさ、たぶんさ、お笑いの学校とかに行ったらさ、あそこで暴れてそこを取ってやれぐらいのことを言われると思うし」
能町　「まああるかもしれない」
伊集院「あそこではっちゃけると、本人面白いってことになるんだろうけど。あの～たぶん、ベストは、迷い続けるだと思う」
（笑）
久保　「正解だったんだ」
伊集院「俺そう思う」
能町　「いや～そんな、そこを褒めていただけるなんて」
伊集院「俺あそこでノリノリで叩き始めたら嫌いになったと思う」
（笑）
伊集院「全然、存在もそんなに知らない頃だから。でも、そういう四面楚歌な場所じゃん、何をやっても違うんだけど」
能町　「そうですね」
伊集院「もっとみんな、結果的にやらないとかやれないとか迷い続けるとか、そういうの評価してほしいよね」