先日、映画「
パイレーツ・ロック」を見た感想記事でもちょこっと書いたけど、映画「スクール・オブ・ロック」とそのモデルとなった教師が出てくるドキュメンタリー映画「Rock School」を放送した番組をそれぞれ見てみたのでちょっとした感想などを色々と。
「
スクール・オブ・ロック」は2004年公開ということで、かれこれもう5年前の映画らしい。当時やたらと宣伝しててヒットもしていたのでもちろん知ってはいたけど、子供が出てくる学園物のハリウッド映画という印象から、まあ見たら面白いんだろうけど・・・って感じでそれほど興味はひかれなかった。ロックは好きだが、子供はあんまり好きじゃない。子供が好きじゃないというより、子供を「可愛い」「純粋」とはやし立てるような感覚があんまり好きじゃない。
子供が登場する映画と言えば、ブランキーの曲で浅井健一が「
小さな恋のメロディーという映画を 観たことがまだないなら早く観た方がいいぜ」と言うもんだから、「小さな恋のメロディー」を観てみたけれど、もうそこそこ心がグレ始めていた頃に観たせいか、あまり心に響かなくてショックだった・・・。この心のグレようはもう手遅れなのか。一見怖そうな尖った印象の浅井さんの何たる純粋さよ。それを上回る己のひねくれ具合をどうしたものか。そのブランキーの曲は普通に好きなんだけどな。
子供は可愛い。知識や経験が乏しい故に無邪気で純粋だ。大人になっていつの間にか失くしてしまったものを持っている・・・かもしれない。言いたいことはわかる。でも、「だからどうした?」という感じがしてしまう。
今人気の某こども店長だってそうだ。「子供だから、可愛いからってに騙されるかよ」とか思ってしまう。ただ、子役で大成している子を見ると思わず、「グレろ!グレろ!」と念じてしまう辺りはもうちょっとした病気かもしれない(笑) もちろんそれは、「そのままで行くと行き詰ってしまうだろうから息抜きしろよ」「あんまり生き急ぐなよ」という意味を込めた、温かい大人の目線からの「グレろ」である。ってどんな目線だ!?
話は戻って「スクール・オブ・ロック」は、思ってたより全然何にも考えずに見れる感じで、うっとおしい学園物ではなかった。てっきり教師や大人の言うことを聞かない不良な子にロックを教えて、ロックをやることによって更生して輝いていく・・・みたいな話かと思ってたら、出てきた子供たちがまず優等生だった。とんだ勘違いだ。でも考えてみたら、不良がロックをやるより優等生がロックをやった方がそりゃ面白い。
落ちこぼれのミュージシャンで小学校の臨時教師に扮するデューイを演じるジャック・ブラックは、もう単純にわかりやすくって好きだ。彼主演の「愛しのローズマリー」なんて、BSやらCSで放送してるのを多々見かけるので、なんだかんだ3〜4回くらい見てる気がする。元より外人の顔の区別が付かず、映画を見ててもよく主人公や主要人物を見失う自分としては、珍しく気を抜いてても把握できる貴重なハリウッド俳優の一人だ。
全体の感想はすでに色々な所で語り尽くされてると思うのでほどほどにしておくが・・・個人的にはラストのバンド・コンテストの展開や盛り上がりは大体予想できたので、それより始まりの方やロックの授業をしている場面が色々面白かった。世間から全然相手にされてないのに非常に俺様な振る舞いをして日々を過ごしているデューイの滑稽なれど鬱屈してない清清しさがいい。素晴らしき娯楽作品だ。
そして何よりロックの授業、ギターを弾いたり歌ったり実技の場面も楽しいけど、黒板一面に書かれたロック史が凄く気になる。「カントリー」「ブルース」辺りから派生していくロックの歴史を、「フォークロック」や「ハードロック」といった細かいジャンル分けをして系統図にし、それぞれのジャンルの代表ミュージシャンの名が書かれているものである。それの全貌が見たい。しかし、映画の中でも公式サイトの方でも、細かく書かれた字の所はなかなか読み取ることが出来ない。ロックに詳しい人には何となくわかるのかもしれないけど、初心者だからこそあのロック史を詳しく見たいのである。
調べてみたら、公開当時は映画情報サイトの方で全貌がわかる図が見れたらしいのだが、5年経った現在はどうやら見れなくなってしまったらしい。それと、輸入版のDVDには黒板のロック史を解説したDVD-ROMが付いてるらしい?んだけど、日本版には残念ながら付いていない。うーむ、ネットで見れる詳細な図はないのか。・・・上等じゃないか。じゃあ自分で作ってやるよ!ということで勝手に思い立って、以前から使ってみたかった相関図・マインドマップ作成サービスの「
pepio」で図を再現してみた。
(*フラッシュのやつを貼り付けてみたので、もし見れなかったら下記のリンクからpepioのサイトへ行くと実際のやつが見れるかと思います。) → ロック史 by 「School of Rock」 | pipeo
(*図の見方ですが、左上のNaviの所か図の空白の所でドロップ&ドラッグみたいな操作をすると、図を動かして見ることが出来ます。Naviの下にあるつまみをスライドすると縮小拡大も出来ます。)細かい文字の所を何とか読み取ろうと黒板の場面を一時停止にしてみたり、ジャンルについて調べて代表ミュージシャンの予測をつけてみたり。いやはや知識がないからほとんど謎解きのようですよ。わかりそうでわからない。「フォークロック」や「ラップ」の辺りがどうもわからなかったので、もしわかる人がいたら(あとミスとかに気づいたら)そっと教えてください。・・・しかし、ミュージシャンのジャンル分けって凄く微妙だから、作る人の解釈によってちょっとずつ異なるロック史が出来上がりそうな気がするな。
09/11/29 放送 TOKYO MX 23:00〜24:00
【
松嶋×町山未公開映画を観るTV 】
Rock School(前編) 「大ヒット映画のモデル 猛烈ロック教師」
そして、その「スクール・オブ・ロック」のモデルとなった実在するロック教師を追ったドキュメンタリー映画「Rock School」。こちらの舞台は「スクール・オブ・ロック」とは異なり、本当のロックスクール・・・つまり子供にロックを教える音楽塾の話である。
→ これが本当のスクール・オブ・ロック、こどもバンド!
- ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
> ロックミュージシャンの夢が挫折したポール・グリーンは、
他に何の取柄もないので、子どものためのロック塾をはじめる。
> しかし、ポールは子どもよりも幼稚で、子ども相手にFUCKを連発。
> 小学生にブラックサバスを歌わせて、「これを歌うには悪魔を崇拝
しろ!」と脅す。
放送の予告では、ロックを教えるのに過激なことを言ったり、ヒステリー気味に怒鳴ったりして、教師が相当イカれてる風にクローズアップされていたけど・・・本編を見たら、確かに教師はイカれてるけど、ちゃんとそのテンションになるまでの道筋と雰囲気があって、生徒たちもそれをわかってるようだったので安心した。
ただ、今の所は生徒やその親たちが語るほどロック塾の教師であるポール・グリーンが魅力的には感じられない。ハッパをかける意味で「ヘタクソ!やめちまえ!」と生徒に怒鳴っている場面があったが、あれは素直な子供だから成立するのだろう。自分だったら、「うるせえ!てめえなんかに教えてもらうことはひとっつもねえよ!こんな堅っ苦しいのロックじゃねえ!」と飛び出してしまいそうな気がする。小中学生ならともかく、もう高校生になるくらいの生徒もいて、よくこんな塾通ってられるな〜と不思議に思った。高校生にもなったら自分らで勝手にバンドを組んだ方が楽しいんじゃないか?と。
細かい場面であれこれ楽しませてくれるエンターテイメントな「スクール・オブ・ロック」とは違い、実際のロック塾は練習、練習でそんなに楽しそうでもない。中には将来を見据えて(ロックスターになりたくて)習いに来ているような子もいるので、現実的に技術の向上を目指して指導していったらそうなるのかもしれないけど。そもそもロックなんて誰か教えてもらうようなものでも強制されてやるものでもない。あくまで塾なので、みんな自由意思で通っているわけだけど、何となく大人にやらされてる感も感じたのは気のせい・・・か?
ロック塾の生徒たちはブラック・サバスのコピーをするイベントに出演する。はたして彼らの実力は・・・意外にもそこそこな感じで拍子抜け。じゃあお前は練習してそれ以上に弾けるのか!と言われたら困るけど、「おお、凄いな〜」ってくらいで逆にホッとした。もの凄く上手くて感動してしまうくらいだったら、ギターを挫折した過去を引きずる大人としては落ち込みそうだ。もしかしたら、わかる人が聞いたら彼らの演奏能力は高いのかもしれない。だが、技術はあっても迫力がない。衝撃がない。が、当たり前か。
演奏していた子はもう中高生くらいでそこそこの技術を持っていたが、ボーカルをやってた男女の兄弟がまだ小学生くらいで、ロック好きらしい母親がライブに向けてその子たちにロック風の化粧をして、髪をモヒカンっぽく立たせたりしていた。インタビューにフワフワとした受け答えをする兄弟で、もしや幼いと見せかけて凄いヘヴィーな声が出せる子たちなんじゃ・・・と思ってたら、別に普通に子供声だった。とは言え、練習をして教え込まれてた分、普通の子よりはかなり気合いの入った歌声ではあったけど。
ロックはこうあるべき!なんてものはないし、何でもありとは言えども、やっぱりロックには向き・不向きの声があると思う。いくらロックが好きで憧れてカラオケなんぞでロックソングを歌ってみても、自分の典型的な女声にガックリするのと同じく、いくら頑張って小学生の兄弟がブラック・サバスを歌ってみても、その典型的な子供の甲高いがなり声にはガックリしてしまった。結局、「子供なのにロックを装ってて可愛いでしょ」「ロックなことやってて凄いでしょ」という感じが否めなくて・・・う〜む。
「これがロックだ!」と言われれば「そうですか」としか言い様がないけど、とりあえず「スクール・オブ・ロック」の世界の方が全然楽しそうだった。でも、ミュージシャンを挫折して子供にロックを教えようとするイカれた教師と、ロック塾が実在していたというのは面白い。子供の視点で考えたら、普通の塾や習い事よりもよっぽど刺激的で面白いのかもしれない。早いうちに「ロックって楽しい!」ってことに気づけるのなら羨ましい。なんか久々にギターを弾きたくなった。今さらだけどブラック・サバスのあの曲のフレーズ、練習してみようかな(笑)
ちなみに後編(12/6放送)の「Rock School」は、より難しい楽曲に挑戦させるために子供たちにフランク・ザッパを練習させるらしい。また凄いとこ行くなぁ。フランク・ザッパか・・・ちゃんと聴いたことがないので、何となく小説で言ったらドストエフスキーみたいな「小難しい」の代名詞としてしか捉えたことがないんだけど、ちょっと聴いてみようかなと思った。そういえば「スクール・オブ・ロック」のロック史では、フランク・ザッパはジャンル分け出来なかったらしく、「?」に分類されていたぞ。
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