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【伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう】12/6/15…先週あれ観たよ編 #5 マツコ・デラックス「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

(前編はこちら)
【伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう】12/6/1…
週末これ借りよう編 #5 マツコ・デラックス「ダンサー・イン・ザ・ダーク」



2012年6月15日 TBSラジオ
「伊集院光の週末TSUTAYAに行ってこれ借りよう!」

『先週あれ観たよ編』#5 マツコ・デラックス




竹内アナ「さて今週は、マツコ・デラックスさんの2回目、先週あれ観たよ編。2週間前に推薦して頂いた映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の感想を、みんなでおしゃべりします」
伊集院 「改善点としては、今収録してるスタジオは、2週間前に比べて、かなり広くなっております。(笑)」


2000年制作のデンマーク映画
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』紹介

舞台は1960年代のアメリカ。
アイスランドの歌姫、ビョーク演じるセルマは、チェコからやって来た、目が不自由なシングルマザー。セルマはカトリーヌ・ドヌーヴ演じる親友キャシーなど、周りの友人に支えられながら、息子の幸せのために工場で働いて、お金を貯めていました。
しかし、ある日、大事なお金を盗まれてしまい、思いもよらぬ事態に。障害を抱えながら、息子の幸せに身を捧げる母親の姿が、多くの観客の胸を打った傑作です。マツコ・デラックスさんがあげた、三つのここ見てポイントは…

1. 向かい風の嵐で、とにかく暗い。
2. 夢見がちな人に合います。
3. 妄想のミュージカルシーン

マツコ・デラックスさんは注意事項として、観終わったら立ち直れないかもしれません、ともおっしゃっていましたが、スタジオではどんなお話しになるのでしょうか。

……………

伊集院 「2週間ぶりの登場。マツコ・デラックスさんです、よろしくお願いしまーす」
マツコ 「どうも皆さん…よろしく」
竹内アナ「なんでそういう感じなんですか(笑)」
伊集院 「(笑)それは、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を、勧めてしまった苦しみみたいなものもあるわけ?」
マツコ 「いや~もう私も、ねえ、人様に言っておいて自分が観ないわけにもいかないので。何年ぶりだろう、2~3年ぶりぐらいに観たんですよ。いつも観なきゃ良かったって思うんだよね、観た後」
伊集院 「あ~なるほど」
マツコ 「あのね、観なきゃダメって思うんだけど、なかなかこう…こういうきっかけでもない限り、好きなのに自分でも、観ようとはしない映画の(笑)代表なんだよね」
伊集院 「なるほど。ちょっと言ってる意味わかるのは、まあズドンとくるし、重いし。で、特に僕、前半の、嫌なことが起こりそうっていう。わかんないけど、なんかその工場の機械に、この人、目が不自由だし、いつか挟まれちゃうんじゃないか。工場の前の通りを、いつも飛ばしてくるトラックに、この人轢かれるんじゃないかみたいな、色んな形のリーチをかけとくんですよ。もうこれどれきてもビンゴの状態にされたまま…」
マツコ 「だって、目弱いのになんで、線路を歩いて帰るんだよ!っていう。もうそこからもう観てると…あたしはもう手を差し伸べたくなってくるのよね。彼女に」
伊集院 「わかります。なんかね、そのね、だからカトリーヌ・ドヌーヴがやった、凄く親切な女性の役あったじゃない?友達の、大親友の。彼女の存在がね、もの凄い救いで、あの存在があの映画になかったら、もうたぶん好きじゃないのよ、あたし。(笑)」
竹内アナ「確かにその~マツコ・デラックスさんがおっしゃってたように、向かい風の嵐というか、とにかく暗いってお話しがありましたけど。私はその心構えで観たんで、しかも注意事項に観終わったら立ち直れない…かもしれないよと」
マツコ 「うん。人様によっては、大変なことになるわよ」
竹内アナ「元気になったんですよ、凄く」
マツコ 「そういう時もあるのよ!あの映画って!」
竹内アナ「あるある…(笑)すっごい頑張ろう!って思ったもん」
マツコ 「不思議なの」
伊集院 「俺、今まさにそのそういう時もあるでビシッとくるのは…あれをね、僕の思春期の一番暗かった時に出会ったか、まあ今これおっさんになって色んなもんに耐性ついて、出会ったかで、俺そうとう違うと思う」
マツコ 「違う」
伊集院 「俺ね、たぶん、思春期の陰々滅々として、嫌なことがあるたびに、なってもいないプロ野球選手になってる自分の姿を、寝る前に考えて、何本もホームラン打って寝るっていう…その暮らしの時にあの彼女の、凄い辛い生活の中でも自分がミュージカルスターのことを妄想するっていうのを観たら、リンクしすぎて彼女になっちゃってたけど。僕は途中で彼女に怒りも感じたし、彼女の無知さ、とかに。なんかわかんないけど、ヒロイズムに酔ってるんじゃないか、みたいなことに怒りも感じたし。もう一回りして、俺があの妄想に逃げてた時に、彼女と同じように、見えなくなってた、優しい手がいっぱいあったんじゃねえのかっていう…凄いその感じに、なった。」
マツコ 「なるほど」
伊集院 「彼女は、孤独だった僕、より、全然周りに愛が溢れてる気が…する」
マツコ 「あのね、だから不思議な時…があって、観終わった後に、わ~この人ってすっごい幸せな人生を全うしたなって、思える時もあるのよ」
伊集院 「はい。もしくは、僕がちょっとそこが少し違うのは、幸せなはずなのに、なぜ妄想ばっかり見たんだよってちょっと思っちゃった」
マツコ 「ああ~」
竹内アナ「みんなに愛されたりとか」
伊集院 「妄想を見ちゃって…。彼女が、目が不自由って大きなテーマがあって。彼女の、見えてたのが妄想で、見えなかったものが何なのかっていった時に、やっぱりお友達とか、愛してくれる人とか、いるじゃん」
マツコ 「うん。あたしがね、そこを彼女を見て思うのは、その~母の無償の愛だって最初に言ったでしょ。もしかしたら彼女は、目もちゃんと良くなって、ちゃんと自立できる道が開けた息子にとっては、もしかしたら盲目になってしまった自分っていうのが、もしかしたら足かせになってしまうかもしれないっていう」
伊集院 「なるほど」
マツコ 「で、ドヌーヴのやった親友みたいな、ほんとに息子のことを心から思ってくれる人もいるっていう、確認もちゃんと取れた上で、自ら命を絶ったに近いのかなっていう。全て息子からは障害を全部取りさらって、輝いて生きてほしいっていう思いで、自分から命を絶ったのかなっていうふうに取れる時もあるのよ」
伊集院 「なるほど。しかもそれは、悲観して絶ったんじゃなくて、それが一番息子にとって、その息子を取り巻く世界にとって、パーフェクトであるっていう。で、それはそのこっち側お友達目線とか周りの人目線でいうと、そんな選択は駄目だよって大人だから思う」
マツコ 「思う」
伊集院 「もう44だから、思っちゃったりはするけど。でも確かに、その見方もつじつまはそうとう合う」
マツコ 「むしろそうじゃなかったら、あんな身勝手な」
伊集院 「終わった瞬間はほんとに俺、心の狭い男だから、怒りに満ちてたんですよ。ずーっと」
竹内アナ「怒りですか?」
伊集院 「怒りです。僕は、その弱いということとか…があんまり好きじゃないんだと思うんです。無知は無知のままでいいみたいな、あがいてほしい。いつまでもあがいてほしいと思うから。自分もいつまでもあがいていこう、って思うから。ちょっと怒りだったの。でもその後に、ゆっくりゆっくり考えていくと、あっ監督はそういうのも含めて伝えたいんじゃないかなっていう」
マツコ 「あれね、あたし、ちょうど観たのが、え~30ちょっと前ぐらいで。サラリーをもらっている仕事を辞めて、もうほんとフリーになって、極貧生活をしている時に観たのね。(笑) その時は、ちょっと自分と同化してしまって、なんか素直…には観れてなかったのよ。で、すごく良い悪いとかじゃなくて、なんかあたしの近くにいてくれる人っていう存在のまま、しばらくの間時が過ぎてて」
伊集院 「なるほど。あいつも辛い」
マツコ 「そうそうそう」
伊集院 「わたしも辛いけど、あいつも辛い」
マツコ 「わたしも頑張ろうっていうね」
伊集院 「あたしも色んな妄想しながら、切り抜けていこうと」
マツコ 「そう。だけどある瞬間、やっぱり人間って自分の意志で貫いて、好きに生きればいいんだよなっていう…のを彼女から感じるようになったのね。もしかしたら彼女は、ある人が観れば、子供を置き去りにして、身勝手な死に方をした人かもしれないし。ある人が観れば、もうほんとに何もかも全てを犠牲にして、自分の命すら犠牲にして、子供のことを思った人って捉えるかもしれないけど。いずれにせよ、身勝手なのよ。もの凄い身勝手に生きた人なのよ」
竹内アナ「そうですね」
マツコ 「で、周りで手を差し伸べた人も、嫌な連中もみんな、自分はやりたいからやってるだけなのよね。全て。誰も助けてくれなんて、お願いしたわけでもなければ。だから、ああ、結局全員身勝手に生きてるんだっていう。その身勝手中の身勝手を、彼女をやり切って死んでいったら…だから、きっとこんな身勝手でも手を差し伸べてくれる、あたしに何か同調してくれる人もいるだろうし。もちろん、身勝手をしてれば、あの~八つ裂きに遭うかもしれないし。もうそれも込みで、全部含めて、身勝手に生きようって思ったの。(笑)」
伊集院 「僕あと、一個だけ、たぶん若い頃に観たのとは全然違う見方だなって思った…若い頃にあの映画を観て感じた恐怖。感じたであろう恐怖と真逆の恐怖ってのがあって、マツコさんはわかってくれると思いますけど。マツコさんも急激に変化したじゃないですか、環境が。テレビにいっぱい出るっていう。僕も、売れなくて陰々滅々と芸人をやってた時に比べれば、テレビにも出るようになったし。それなりに、褒めてくれる人も出てきた中で、俺、これが妄想の方だったらどうしようっていう」
マツコ 「わかる…わかります」
伊集院 「要は、自分に妄想癖があったことは認める。今もある。で、途中でちょっと怖くなる感じ、俺ら華やかな世界にいて、性格的に華やかな人間じゃないって僕は自分であるから。なのに華やかな人間…として、この華やかな世界にいることが、あれっ?俺、まだ、あの時の想像だったらどうしよう!って思ったりとかした」
マツコ 「わかる…。すっごい。あの~もの凄い虚言癖の人っているじゃない?そういう人を見るたびに、あっこれ一歩間違えたらあたしこうなってたな、っていっつも恐怖を感じるの」
伊集院 「わかります。すっごくわかります」
マツコ 「だから、もしかしたらあたし今頃、糖尿病かなんかでぶっ倒れてて、意識がないまま、どっかの病院で繋がれてて。これって全部夢の世界のことなのかなぁとか。(笑)」
伊集院 「だって俺、虚言癖の虚言が万馬券で当たったようなもんだから。もしこれが現実なら」
マツコ 「(笑)うん」
伊集院 「これがほんとに虚言で、ほらお互い血糖値もね、気をつけなければならない体型の中で、もしかしたら病院にいるかもしれないもんね。って思っちゃったら、変な見方なんだけど、すっごい怖くなっちゃう。だからなんかわかんないけど、色んな見方のできる」
マツコ 「うん」
竹内アナ「そうですね。色々ですね」
伊集院 「僕、いつも思うんですけど、こうやって勧めてもらった映画観た時に、すっごい好きな映画って例えばできるじゃないですか。映画としても良くできてて、自分の好みにも合ってる、これは凄い幸せな映画だと思うんですね。僕、この映画って、すっごい良い映画だけど、自分の好みには合わない映画なんです。これね、つまんない映画って感情移入もしないから、嫌いなやつなんかできないんですよ。僕は彼女のことがやっぱり好きになれない、最後に肯定できないっていうぐらい、変な話、もう僕、彼女の周りに住んでる人になっちゃってるんですよ」
マツコ 「なるほど」
伊集院 「映画が良くできてるから。だから、この番組で勧めてもらって凄い良かったです。凄く良かったです。これたぶん能動的に観ることがないと思うんです。で、終わった後に…よっぽど自分の心構えが変わったりとかすればもう一回観るかもしれないけども、なんか観て良かった。でもたぶん二回観るかっていうとそうでもないんです」
竹内アナ「一回は観て、絶対良かったと思うんですよ。」
伊集院 「ほんでみんなにも観なって言いたい」
竹内アナ「言う。ただ次観る時は、私の場合たぶん何かがあった時に観ると思う。なんか自分の中で」
伊集院 「心変わりでしょ?俺がたぶん違う解釈をするんじゃないっていう」
竹内アナ「心変わりとか、自分の人生のステージが何らかの形で変わるとか、変化が起きたとか。っていうなんか迷った時とか、なんかがあった時だと思う」
マツコ 「わたし今回はこの番組だから、テーマとしてね、色んな方向性で語ることができるから、選んだけど。普通にその辺の人に、お勧めの映画は?って言われて、絶対に勧めないもん。あたし、これ。(笑)」
伊集院 「俺ね、それも感じたの。観終わった時に、あのね、マツコすげえって一個思ったの」
マツコ 「(笑)」
伊集院 「この手の番組で、この賭けに出るのって危険じゃないですか」
マツコ 「危険よね(笑)」
伊集院 「要するにお勧めの作品一本紹介して下さいって言われた時に、ここまでのるかそるかの作品を、出すのは凄く危険で。僕はほんとに、紹介してもらって良かったと思うと同時に、マツコ賭けに勝ちやがった!ってちょっと思ったんだよ」
マツコ 「勝ったかな!?あたし、さっき移動の車ん中で、やっぱり伊集院さんあれ嫌いだよねえって言って。(笑)」
伊集院 「俺ねえ、なんかわかんないけれども、その~マツコさんに紹介してもらって観て、皆さんも観て、ただ嫌な気持ちになるかもしれないけど(笑)大好きな映画になるかどうかなんてほんとわかんないですよね」
マツコ 「わかんない。あのねえ、これ…正解がないんですよ。もの凄い拒否反応を出す人も、正解だと思うし。かと言ってこれに凄い同調しちゃって、あたし変なのかしらって、思う人もいるかもしれないけど、それも変じゃないし。もう、なんでこんな映画作ったんだろうね!この人、ほんとに。(笑)」
伊集院 「(笑)まあまあ、なんじゃこれですよね。いや~でも、なんかマツコ・デラックスここにありって思ったのは、全然置きに行ってないです。とんでもないやつを」
マツコ 「そりゃ伊集院さんにね、そんなことはできないわよ、あたし。今回は三本出さして頂いて、これが選ばれたけど、全部ガチで言ったからね。(笑)」
伊集院 「ぜひまた。その残りのも、一緒にしゃべりたいんで、ぜひ来て下さい」
マツコ 「もしよろしかったら。お願いします」
伊集院 「はい。ほんとにありがとうございました」
マツコ 「ありがとうございました」

( CM )

伊集院 「興奮して言い忘れちゃったけど、主演の方は…ビョークさんっていう世界なミュージシャンだと、いうことですけども。僕ね、その外国の歌を、洋楽なり聞いて、英語が全くできない照れっていうのがいつもあるから。なんかちょっと感動したり、ちょっと乗りそうになると、待て待て待て待てって、英語もできない、Be動詞もできないわかんねえくせにって、いつも思っちゃうんです。引いちゃうんだけど。妄想シーンは、ミュージカル仕立てになってるんで、最初の妄想の時に歌うじゃない?照れもなくグッときたね。なんかその、歌ってる時の凛々しい顔つきとか」
竹内アナ「はい。声とか、雰囲気とか、ですね」
伊集院 「ビョークさん 凄かったよってことを、ちゃんと言っときたかった。ということで、マツコ・デラックスさんのお勧め、ビョーク主演、2000年公開の作品『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。ほんとにマツコさん言ったように、入りこんじゃう人はかなり落ち込む人もいると思いますんで。多少使用上の注意をいりますが、その覚悟がある人は観て…もらいたいね。2週間前にマツコさんに教わったやつをもうここで教えるっていうのを照れくさい話ですけども」
竹内アナ「はい(笑)」
伊集院 「観たら~あれ、みんな。みんな、俺のお勧めだから、観たら~」




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